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【御堂筋・玄関口】淀屋橋ツインタワープロジェクトを調査

みなさまこんにちは!
TOANET株式会社の大畑です。
今回は、Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅東側と西側で進行している、2つの再開発事業を徹底調査いたします。事業名称は、「淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発事業」と「淀屋橋駅東地区都市再生事業」です。*2023年2月25日時点の情報です。今後変更される場合があります。

淀屋橋北側から望む建物完成イメージ(日経新聞記事より出典)

淀屋橋ツインタワープロジェクトとは?

現在、大阪市中心部を南北に貫く御堂筋の淀屋橋エリアで、2つの再開発事業が同時進行しています。ひとつは、御堂筋に面する駅西側角地、「淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発事業」です。「淀屋橋駅西地区再開発組合・大和ハウス工業・住友商事・関電不動産開発」が開発事業者となります。建物規模は、地上29階建て・地下2階、高さ約135mです。

もうひとつは、駅東側の角地、「淀屋橋駅東地区都市再生事業」。「中央日本土地建物・京阪ホールディングス」が開発事業者となります。建物規模は、地上31階建・地下3階建、高さ約150m。御堂筋の玄関口に、新しいランドマークタワーとして生まれ変わります。

位置図(Google Mapより出典・一部加筆)
建設地周辺(Google Earthより出典・一部加筆)
建物完成イメージ(日経新聞記事より出典)

コンセプト-Concept

淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発事業

計画地は、御堂筋の玄関口という好立地にありながら、御堂筋沿道街区では細分化された土地利用となっていました。これを「市街地再開発事業」により、敷地・建物を共同化。大阪市内最大規模のハイグレードオフィスと、上質なにぎわいを提供する商業施設を中心に生まれ変わります。緑豊かなオープンスペース、中之島を一望できるビュースポット、交流施設等を擁した大規模複合ビルが誕生します。また、土佐堀川沿いのパブリックスペース(大川町公園)も、水辺のにぎわい空間として再整備。地上29階・地下2階建て。2025年12月竣工予定です。

■淀屋橋駅東地区都市再生事業

本事業は、中央日本土地建物が所有する「日土地淀屋橋ビル」と、京阪ホールディングスが所有する「京阪御堂筋ビル」の敷地を一体化し、共同で建替えを行う都市再生事業です。高規格なオフィスを中心とし、商業施設や観光ステーションが整備されます。また、京阪電鉄線、Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅と接続する地下1階から地上2階は、3層吹抜けの立体多目的広場が整備され、駅利用者や観光客への情報提供・発信が行われます。地上31階・地下3階建て。エリア最高となる建物高さ約150mのランドマークビル、2025年夏竣工予定です。

建物完成イメージ(大和ハウス工業リリースより出典)・中央右側が「駅西地区第一種市街地再開発事業」、中央左側が「駅東地区都市再生事業」

外観デザイン・フロア構成

淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発事業

御堂筋の玄関口に相応しい、シンボリックな外観デザインが特徴的です。御堂筋に面する高さ50m・地上11階部分から建物をセットバックしています。これは、御堂筋沿道街区については、地区計画により、壁面の揃った景観を生み出す必要があるためです。

建物完成予想図(大和ハウス工業リリースより出典)

【建物フロア構成】
・駐車場〔地下2階〕
・商業施設〔地下1階・地上1階・地上2階〕
・低層オフィス〔地上3階~地上9階〕
・複合施設(にぎわい施設・屋上庭園他)〔地上11階〕
・高層オフィス〔地上12階~地上27階〕

建物フロア構成(大和ハウス工業リリースより出典)

【オフィス】
ワンフロア貸室面積が約940~1,110坪、総貸室面積が約23,500坪のハイグレードオフィスです。平面計画においては、センターコア方式を採用していますので、東西南北の四方向が窓に面するようになります。特に、オフィス北面においては、「水都大阪」の象徴、中之島の景色が広がる絶景のポジショニングといえるでしょう。

オフィス基準階平面図(大和ハウス工業リリースより出典)
オフィス北面方向の眺望(大和ハウス工業リリースより出典)

【にぎわい施設・眺望テラス】
御堂筋に面した高さ50mの11階部分には、一般の方も利用できる「にぎわい施設」や、屋上庭園も愉しめる「眺望テラス」設けられます。オフィスワーカーのサードプレイスにも利用できる空間となるようです。

眺望テラス完成イメージ(大和ハウス工業リリースより出典)

【商業施設】
建物低層部(1階・2階・地下1階)には、約25~30店舗の商業施設が設けられます。地上1階部分は、御堂筋・土佐堀通・御領筋それぞれの特性に合わせた商業空間とし、外構と一体となる「にぎわい施設」が創出されます。高さ2層分の高さを持つ「コリドール」、2階には「テラス席」が設けられます。Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅と直結する地下1階と、2階部分には、物販・飲食・サービス店舗が配置されます。きっと、お洒落なカフェやレストランがオープンするのでしょう。ランチのバリエーションも増えますね。

商業施設完成イメージ(大和ハウス工業リリースより出典)

淀屋橋駅東地区都市再生事業

淀屋橋エリア最高となる高さ約150mを誇るランドマークタワーとなります。高さ約50mに形成された基壇部の軒線が、建物の陰影を作り出しています。夜間には、印象的なライトアップを計画するなど、御堂筋にふさわしい外観フォルムです。

建物完成イメージ(中央日本土地建物リリースより出典)
建物完成イメージ(中央日本土地建物リリースより出典)

【建物フロア構成】
・商業施設〔地下2階・地上1階・地上2階〕
・低層オフィス〔地上4階~地上8階〕
・ビジネスラウンジ〔地上10階・地上11階〕
・高層オフィス〔地上12階~29階〕
・商業・眺望テラス〔地上30階〕

建物フロア構成(中央日本土地建物リリースより出典)

【オフィス】
基準階面積約480坪、総面積約11,800坪の高規格オフィス。サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)にも採択されています。基準階専有部については、アウトフレーム工法により、柱のないオフィス空間を実現しています。また、基準階専有部内の窓枠には、自然換気装置を設けるほか、エレベーターシャフト上部を活用したVOID空間(吹抜け)内の重力換気により、時間当たり2回の自然換気を行うなど、感染症リスクを低減したオフィス空間としています。

オフィス基準階平面図(中央日本土地建物リリースより出典)

【ビジネスラウンジ】

建物中層階(地上10階・11階)には、様々なビジネスの出会いと成長を支援する場として、「コワーキングスペース」「少人数対応オフィス」「カンファレンス」などが設けられます。

ビジネスラウンジ完成イメージ(中央日本土地建物リリースより出典)

【展望テラス】
最上階(30階)には、中之島や御堂筋の観光・文化の配信機能を担う「展望ホール」や「ギャラリー」が整備されます。このフロアは、一般来館者も利用可能のようです。完成したら、是非、見学したいですね。

建物北西角上空より土佐堀川を望む(中央日本土地建物リリースより出典)

【立体多目的広場】

京阪電鉄線、Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅と接続する地下1階~地上2階は、3層吹抜けの立体多目的広場が整備され、商業施設や観光ステーションが設けられます。駅利用者や観光客へ、様々な情報発信が行い、周辺地区とも連携したイベントも実施されます。

多目的広場完成イメージ(中央日本土地建物リリースより出典)
駅コンコース接続部完成イメージ(中央日本土地建物リリースより出典)

事業概要・事業スケジュール

■淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発事業

【事業概要】

事業名称 淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発事業
施行者 淀屋橋駅西地区市街地再開発組合
所在地 大阪市中央区北浜4丁目1番他
交通 Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅直結
京阪本線「淀屋橋」駅直結
敷地面積 約7,206㎡
延床面積 約132,330㎡
主要用途 事務所、店舗、駐車場等
階数/建物高さ 地上29階・地下2階/約135m
設計/施工 設計・監理/日建設計
施工/大林組

【事業スケジュール】

2019年8月 都市計画決定
2020年7月 淀屋橋駅西地区市街地再開発組合設立認可
2021年5月 権利変換計画認可
2021年10月 解体工事着工
2022年11月 新築工事着工
2025年12月 建物竣工予定
2026年 開業予定

■淀屋橋駅東地区都市再生事業

【事業概要】

事業名称 淀屋橋駅東地区都市再生事業
施行者 中央日本土地建物・京阪ホールディングス
所在地 大阪市中央区北浜4丁目1番他
交通 Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅直結
京阪本線「淀屋橋」駅直結
敷地面積 約3,940㎡
延床面積 約72,825㎡
主要用途 事務所、店舗、駐車場等
階数/建物高さ 地上31階・地下3階/約150m
設計/施工 竹中工務店

【事業スケジュール】

2020年10月 既存建物解体開始
2022年7月 新築工事着工
2025年5月 建物竣工予定
2025年夏頃 開業予定

 

まとめ

「淀屋橋ツインタワープロジェクトを調査」、いかがでしたでしょうか。京阪電鉄線、Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅に直結する2つの「高層複合タワー」。単なるオフィスビルではなく、商業施設や観光施設も擁する計画は、まさに御堂筋の玄関口にふさわしいランドマークタワーといえるのではないでしょうか。ただ、2棟のオフィスフロアを合わせると、総フロア面積は約35,300坪。現在、大阪駅北側で進行中「グラングリーン大阪(うめきた2期)」のオフィス面積が約34,00坪、大阪駅南側で建設中の「梅田3丁目計画(仮称)」のオフィスフロア面積は約20,570坪。全て合わせると、なんと約90,000坪ものオフィス面積となります。大阪市内においては、これら以外にも複数の大型オフィスビルが建築中です。再開発事業により、街が新しく生まれ変わっていくのは、大変うれしいことですが、これだけのオフィス需要が潜在しているのでしょうか。心配になってきます。とはいえ、どの計画も単なるオフィスビルではなく、ホテルや商業施設などを複合していますので、大阪、そして関西圏のますますの発展に寄与することは間違いないでしょう!

過去記事【最後の一等地】うめきた2期計画を調査はこちら

過去記事【大阪駅直結】大型複合タワー・梅田3丁目計画を調査はこちら

淀屋橋北側より再開発事業建設地を撮影(2022年12月撮影)・駅西地区、東地区ともに、建築中の建物姿は見られませんでした。
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