【2024年開業】中之島・未来医療国際拠点を徹底調査

2022.12.13
アバター画像大畑清一郎

みなさまこんにちは!
TOANET株式会社の大畑です。
今回は、水都・大阪を象徴する「中之島4丁目」に建設される、『未来医療国際拠点』について徹底調査いたしました。大阪府、大阪市、そして関西経済界が一体となってつくられるビッグプロジェクト。2024年春開業に向けて、着々と進行しています。*2022年12月11日時点の情報です。今後変更される場合があります。

未来医療センター外観・未来医療推進機構
未来国際拠点完成予想図(未来医療推進機構HPより出典)

「未来医療国際拠点」実現に向けての経緯

大阪・関西には、ライフサイエンス分野において、大阪大学や京都大学、理化学研究所をはじめとした研究機関が、比較的コンパクトな範囲に集積していることに加え、がん・難病に対し画期的な新薬を開発する製薬企業も多数集積している。又、再生医療についても、様々な企業が、大学・研究機関との共同研究を実施している。今後、激化する再生医療にかかる国際競争を勝ち抜くためには、研究段階から実用化・産業化のステージへと早期に移行させることが重要で、そのエンジンとなる未来医療の国際拠点を形成すべく、大阪府、大阪市、関西経済団体(関西経済連合会・関西経済同友会・大阪商工会議所)により、拠点設置に伴う検討協議会が設置されました。2018年3月に「未来国際拠点基本計画(案)」が策定され、大阪市が所有する中之島4丁目の約8,600㎡を予定地として、実現に向けて動き始めたのです。そして、2019年11月、運営の中心を担うべく、『一般財団法人未来医療推進機構』が設立されました。設立者は、関西エリアに拠点を置く、次の22団体です(五十音順)。

アース環境サービス(株) アズワン(株)
岩谷産業(株) 大阪府
(株)大林組 クオリプス(株)
(株)コングレ サラヤ(株)
シップヘルスケアホールディングス(株) 澁谷工業(株)
住友ファーマ(株) セルソース(株)
日立造船(株) (株)日立プラントサービス
三井住友海上火災保険(株) (株)三井住友銀行
ヤマト運輸(株) (株)レイメイ
レグセル(株) レメディ・アンド・カンパニー(株)
ロート製薬(株) (医)渡辺医学会

現在は、ロート製薬(株)の本間陽一氏が理事長を務めているようです。

コンセプト

■再生医療をペースに、ゲノム医療や、人口知能(AI)、IoTの活用等、今後の医療技術の進歩に即応した、最先端の未来医療の産業化を推進

■国内外の患者への、未来医療の提供により、国際貢献を推進

 

開業予定地(大阪市北区中之島4丁目)

■利便性の高い交通アクセス

・京阪中之島線「中之島駅」「渡辺橋駅」徒歩約5分

・Osaka Metro四ツ橋線「四ツ橋」駅徒歩約10分

・Osaka Metro御堂筋線・京阪本線「宿屋橋駅」駅徒歩約15分

・JR大阪環状線「福島駅」東西線「新福島駅」徒歩約10分

・JR「大阪駅」徒歩約20分

・阪神本線「福島駅」徒歩約10分

・2031年開業予定の新線・なにわ筋線「中之島駅(仮称)」徒歩2分程度

予定地・未来医療推進機構
未来医療国際拠点開業予定地マップ(未来医療推進機構HPより出典)

■建設地周辺

現地周辺には、「大阪市立科学館」や「国立国際美術館」、そして2022年2月に開業した「大阪中之島美術館」といった文化施設が集積。「リーガロイヤルホテル」や「大阪国際会議場(グランキューブ大阪)」などの施設もあります。更に、高さ200mのツインタワーからなる「フェスティバルシティ」には、音楽ホール「フェスティバルホール」や「香雪美術館」などの施設もあります。日本国内はもちろん、海外へ向けての文化・情報の発信拠点といえる場所ですね。又、2031年のなにわ筋線「中之島駅(仮称)」の開設で、関西国際空港へのアクセスも向上。海外からの利便性が高まる立地条件といえるでしょう。

中之島西部エリア上空・加筆
中之島西部エリア上空(Google Earthより出典・一部加筆)

 

大阪中之島美術館ウィキペディア
敷地東側に隣接する「大阪中之島美術館」(Wikipediaより出典)

施設配置図及びフロア構成

■施設配置図

配置図・事業計画書抜粋・大阪市
配置図(大阪市HP添付「事業計画書」より出典)

施設東隣に位置する「大阪中之島美術館」へは、地上(1階)レベルでつながるようです。又、デッキを通じて、「国立国際美術館」や「大阪市立科学館」へも行けそうです。敷地西側の「なにわ筋」へは、「市有地」を通っていけるのでしょうか。なにわ筋線「中之島駅(仮称)」への動線となるので、アクセスできるよう整備して欲しいですね。

■施設フロア構成

施設断面図・未来医療推進機構
施設フロア構成イメージ図(未来医療推進機構HPより出典)

■未来医療R&Dセンター(東側3階~16階) ・未来医療の創造を担うゾーン

◎リエゾンオフィス
未来国際医療に関連する企業や、研究機関等の入居を想定しています。現在、未来医療推進機構にて入居者を募集しています。
◎産学医連携スモールオフィス
三井不動産がこのエリアの運営事業者として決定しています。フロア内には、「賃貸ウェットラボ」「コミュニケーションラウンジ」「スタートアップ向けオフィス」が開設予定です。

三井不動産プレスリリース
産学医連携スモールオフィスイメージ(三井不動産プレスリリースより出典)

■未来医療MEDセンター(西側3階~11階)・未来医療の実践を担うゾーン

◎病院「(医)渡辺医学会」
未来医療の実用化を促進する臨床治験機能(治験病床)を備えた医療施設。急性期医療をはじめ、回復期医療、地域包括ケアへの対応も想定しています。
◎診療所・高度検診センター
様々な診療科目の再生医療関連クリニック、最新の検査機器による高精度な検診サービスを提供する施設が入居予定。病院とも連携し、研究成果の実践の場として最先端の医療技術、治験法が提供されるようです。

■中之島国際フォーラム(1階~2階)・未来医療の共有を担うゾーン

◎コミュニティカフェ
普段は市民や未来医療関係者の憩いの場として利用。未来医療に関する各種イベント等も開催することができます。
◎カンファレンスセンター
未来医療の産業化を促進するビジネス交流や、世界の高度人材の呼び込みを可能とする、情報発信施設です。

運営スキム・スケジュール

■運営スキム

運営スキム・大阪府HP
運営スキムイメージ(大阪市HPより出典)

建物施設は、日本生命保険、京阪ホールディングス、関電不動産開発が開発事業者となり、「未来国際推進機構」に貸出します。そして、「未来推進機構」は、施設内に入居する各テナントに貸出しするスキムとなっています。又、土地については、大阪市と開発事業者との間で、70年間の定期借地権設定契約を締結しています。

■スケジュール

現在、開発業者が、施設建物を建築中です。施工については、大林組・フジタが担当しています。2024年1月の竣工、2024年春施設オープンとなっています。

スケジュール・大阪府HP
全体スケジュール(大阪市HPより出典)

建物施設は、順調に建設が進んでいるようです。写真左側に聳えているのは、「関西電力本店」ビル、右側の建物は、タワーマンション「N4タワー」です。又、現地の西側道路「なにわ筋」の地下では、新線・なにわ筋線の「中之島駅(仮称)」が建設中です。

建築工事写真1.2022.11
建築中写真(2022年11月撮影)
なにわ筋線工事中看板
現地西側・なにわ筋線新駅「中之島駅」工事中看板写真(2022年11月撮影)

 

まとめ

中之島4丁目に開設される「未来医療国際拠点」を調査!いかがでしたか。関西の最先端医療が集結し、高精度な医療が提供されるのは、本当にうれしいですね。日本国内はもちろん、海外からも、医療従事者や患者さんが訪れ、関西ブランドはますます高まりそうです。開業を予定している2024年春は、「うめきた2期」の先行街びらきと同じタイミング。大阪から日本全国、そして海外へ、たくさんの情報が発信され、翌年2025年の「大阪・関西万博」開催に向けて、一段と飛躍することでしょう!