【水都大阪のランドマーク】(仮称)大阪三菱ビル建替え計画を調査

2023.05.28
アバター画像大畑清一郎

みなさまこんにちは!
TOANET株式会社の大畑です。
今回は、大阪のシンボル「御堂筋」と、水都大阪を象徴する「堂島川」が交差する場所に誕生する「(仮称)三菱ビル建替え計画」を調査しました。地上32階、高さ143m。エリア有数となる複合ビルとして生まれ変わります。*2023年5月20日時点の情報です。今後変更される場合があります。

航空写真・三菱地所オフィス情報
ロケーションイメージ(三菱地所オフィス情報HPより出典)

(仮称)大阪三菱ビル建替え計画とは?

「大阪三菱ビルディング」は、三菱銀行が建築主となり、1968年8月に竣工しました。地上15階建てのオフィスビルで、三菱銀行大阪支店や三菱商事など、三菱グループの大阪における拠点の一つでした。そんな、長らく地域のシンボルとして君臨した「大阪三菱ビルディング」が、その地域性や歴史性を踏まえ、周辺の水辺空間と一体となるランドマークとして建て替わります。地上32階建て、延べ床面積約66,000㎡のオフィス、客室数548となる四つ星ホテルなど、水都大阪の新たなランドマークとなる大型複合ビル。2024年4月に完成予定です。建築主については、「オーエム4特定目的会社※1」。施工は、竹中工務店が担っています。※1「オーエム4特定目的会社」は、三菱地所株式会社、三菱商事都市開発、積水ハウス株式会社、MULリアルティインベストメント株式会社(三菱UFJリース株式会社の100%戸会社)が出資するTMKです。

三菱ビル堂島川
「(仮称)大阪三菱ビル」建築中写真(2023年4月撮影)

アクセス・ロケーション

【交通アクセス】
・京阪中之島線「大江橋」駅徒歩2分
・Osaka Metro御堂筋線・京阪本線「淀屋橋」駅徒歩4分
・JR東西線「北新地」駅徒歩5分

グーグルマップ広域図・一部加筆
建設地周辺広域エリア図(Google Mapより出典・一部加筆)
交通アクセス路線図・三菱地所オフィス情報
交通アクセス路線図(三菱地所ビル情報HPより出典)

【ロケーション】

グーグルマップ・狭域・一部加筆
建設地周辺狭域エリア図(Google Mapより出典・一部加筆)

建設地の南側には、水都大阪の象徴「中之島エリア」が広がっています。高さ200mのツインタワーからなる「フェスティバルシティ」。音楽ホール「フェスティバルホール」や「香雪美術館」などの施設があります。また、中之島エリアを象徴する歴史的建造物、「日本銀行大阪支店」や「大阪市役所」、「大阪中央公会堂」なども近くに建立しています。

GoogleEarth・大阪三菱ビル・一部加筆
建設地周辺(Google Earthより出典・一部加筆)
大阪三菱ビル淀屋橋から
建築中建物外観(淀屋橋南側より・2023年4月撮影)
日本銀行大阪支店
建設地南側を流れる堂島川の向こうにある「日本銀行大阪支店」(2023年4月撮影)
大阪市役所
御堂筋西側に位置する「大阪市役所」(2023年4月撮影)
大阪中央公会堂夜景・Wikipedia
ライトアップされた「大阪中央公会堂」(Wikipediaより出典)

全体計画について

■外観デザイン

建物外観は、ガラスカーテンウォールで覆われた先進的で、シャープなデザイン。建物中層部からセットバックした外観デザインが、ランドマーク性を際立たせています。

建物完成予想図・三菱商事都市開発プレスニュース
建物完成予想図 (三菱地所ビル情報HPより出典)
大阪三菱ビル・見上げ
建築中写真(2023年4月撮影)

■ランドプラン

本プロジェクトには、「にぎわい」を創出するべく、様々な工夫がなされています。計画建物南側に位置する「堂島公園」を一体で整備し、堂島川のほとりには、「船着場」も設置されます。そうすることで、「建物施設~公園~船着場」といった、連続する「にぎわい」が実現します。そして、御堂筋に面する建物東側には、新たな顔となるカフェ等の路面店が出店されるようです。カフェといえば、やはり「スターバックス」でしょうか。楽しみですねえ。

ランドプラン・三菱地所オフィス情報
ランドプラン(三菱地所ビル情報HPより出典)
大江橋
建設地南側の「大江橋」と「堂島川」(2023年4月撮影)

堂島公園の再整備の一環として、国産CLTを利用した「観光トイレ」や「喫煙スペース」が、既に設けられていました。

堂島川公園トイレ・喫煙所
堂島公園に整備された「喫煙スペース」と「観光トイレ」(2023年4月撮影)

■建物フロア構成

エレベーション・三菱地所ビル情報HP
建物フロア図(三菱地所ビル情報HPより出典)

【1階~2階】
カフェ等の商業店舗及び2箇所のエントランス空間が設置されます。建物北側には、にぎわいと開放感のある「MIDOSUJI PLAZA」。そして、南側には、オフィス・ホテル・観光のエントランス空間「DOJIMA GALLERIA」です。敷地南側には、空港リムジンバスの発着も予定されるなど、多くの人々が集まる空間になりそうです。このほか、建物低層部には、保育施設や健康増進施設も整備されるようです。

エントランス・三菱地所オフィス情報
オフィスロビーイメージ(三菱地所ビル情報HPより出典)

【3階~15階】
総貸付面積約6,870坪のオフィスフロアです。ワンフロア約530坪の無柱空間で、最大で9分割の対応が可能です。天井高約2.8m、照明は自動調光制御可能なLED照明としています。建物センターコアをエレベーター等の共用施設としており、建物北側(梅田方向)、東側(御堂筋方向)、南側(中之島方向)が、オフィスの開口部となっています。

オフィスフロア図・三菱地所ビル情報
オフィスフロア図(三菱地所ビル情報HPより出典)

【16階】
建物中間階の16階部分には、大阪な街並みが一望できる「(仮称)御堂筋プレゼンテーションギャラリー」や「観光展望施設」が設置されます。建物の南方向は、中之島エリアや淀屋橋方面の眺望を望むこととなります。現在、淀屋橋駅の東側地区と西側地区では、ツインタワービルが建築中です。御堂筋の高層化がますます加速し、見える景色もどんどん変わっていきますね。

【御堂筋・玄関口】淀屋橋ツインタワープロジェクトを調査 – レポート – TOANETコラム

観光展望施設16階・三菱地所ビル情報HP
観光展望施設イメージ(三菱地所ビル情報HPより出典)

【17階~31階・32階】
建物17階~31階部分には、カンデオホテルズチェーン内最大級となる四つ星ホテル、「カンデオホテルズ大阪堂島(仮称)」が入ります。総客室数548室で、2024年夏の開業予定です。このホテルは、カンデオホテルズチェーンのフラッグシップホテルで、レストラン・バー、フィットネスを備えます。また、建物最上階(32階)には、展望露天風呂を備えた「天空のスカイスパ」が設置されます。国際級ホテル水準を満たす「ラグジュアリーホテル」となります。

ロビーイメージ・カンデオホテルリリース
ロビーイメージ(カンデオホテルリリース記事より出典)
ロビーラウンジ・カンデオホテルリリース
ロビーラウンジイメージ(カンデオホテルリリース記事より出典)
エレベーターホール・カンデオホテルリリース
エレベーターホールイメージ(カンデオホテルリリース記事より出典)
バーイメージ・カンデオホテルリリース
バーラウンジイメージ(カンデオホテルリリース記事より出典)
スカイスパ・カンデオホテルリリース
スカイスパイメージ(カンデオホテルリリース記事より出典)

建築概要

計画名称 (仮称)大阪三菱ビル建替え計画
所在地 大阪市北区堂島浜一丁目1-5(住居表示)
交通 京阪中之島線「大江橋」駅徒歩2分
Osaka Metro御堂筋線・京阪本線「淀屋橋」駅徒歩4分
JR東西線「北新地」駅徒歩5分
敷地面積 3,571.88㎡
建築面積 2,550.00㎡
延べ面積 67,000.00㎡
容積対象面積 57,150.00㎡
構造 鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造
高さ 147.00m
階数 地上32階、地下2階、塔屋1階
主要用途 事務所(3~15階)、ホテル(17階~31階)、店舗(1~2階)、駐車場(地下2階)
建築主 オーエム4特定目的会社
※三菱地所株式会社、三菱商事都市開発、積水ハウス株式会社、MULリアルティインベストメント株式会社(三菱UFJリース株式会社の100%戸会社)が出資するTMK。
プロジェクトマネジメント業務受託者 三菱地所株式会社
設計・監理者 三菱地所設計株式会社・株式会社竹中工務店共同体
施工者 株式会社竹中工務店
新築工事着工 2021年10月15日
工事完了予定日 2024年4月15日
三菱ビル・建築看板
建築計画のお知らせ看板(2024年4月撮影)

まとめ

『(仮称)大阪三菱ビル建替え計画を調査』いかがでしたでしょうか!今回の計画については、単にオフィスビルを建替えるのではなく、ラグジュアリーホテルを複合したり、敷地南側の「堂島公園」の再整備や、「船着場」の設置など、エリアのポテンシャル向上に寄与する計画だと思いました。現在、大阪内中心部においては、高層オフィスビルの建築ラッシュが続いています。また、2025年開催の「大阪・関西万博」に向け、ラグジュアリーホテルの建設も続いています。大阪市内で進行中の案件には、様々な施設を複合させることによって、エリア全体のポテンシャル向上に寄与する案件が数多く見られます。再開発が続く首都圏同様、大阪も「副首都」としての機能を担うに相応しい街並みに変わっていくことでしょう。5年、10年先の大阪が、本当に楽しみですね!
ちなみに、今後開業を予定しているラグジュアリーホテルが複合される調査コラムは次の通りです。是非、ご一読下さい!
◆『ウォルドーフ・アストリア大阪』(2025年上期)/グラングリーン大阪南街区
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◆『THE OSAKA STASION HOTEL』(2024年夏)/大阪駅直結「JPタワー大阪」内
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【法円坂北特定街区】『パティーナホテルズ&リゾーツ』日本初進出を調査 – レポート – TOANETコラム
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