【2031年開業】新線・なにわ筋線を徹底調査
みなさまこんにちは!
TOANET株式会社の大畑です。
今回は、大阪・梅田エリアから、難波、天王寺、そして関西国際空港をつなぐ新たな路線、「なにわ筋線」を徹底調査いたしました。検討経緯や具体的な運行ルートと新駅周辺、そして開通後のメリットなどをお伝えします。*2022年11月30日時点の情報です。今後変更される場合があります。
「なにわ筋線」について
なにわ筋線は、2023年春開業予定の「うめきた(大阪)駅)」と、「JR難波駅」及び「南海本線・新今宮駅」をつなぐ新路線です。西日本最大の鉄道ターミナル「大阪・梅田」、大阪市の主要ターミナルである「難波」・「天王寺」と、「関西国際空港」とを直結する機能を持ちます。大阪都心及び京阪神圏の各拠点都市と、関西国際空港とのアクセス性の強化、広域鉄道ネットワークの拡充に寄与する役目を果たします。「関西高速鉄道」が第三種鉄道事業者(※)として整備にあたり、完成後は、「JR西日本」並びに「南海電鉄」が第二種鉄道事業者(※)として運行を担います。なにわ筋線は、2031年春に開業を予定しています。
※第三種鉄道事業者…鉄道線路を敷設して、第二種鉄道事業者に使用させる事業者を指します。
※第二種鉄道事業者…他人が所有する線路を使い、自ら旅客または貨物を輸送する事業者を指します。
検討経緯
1989(平成元)年5月 | 運輸政策審議会答第10号「目標年次(2005年)までに整備することが適当な路線」 |
1999年(平成11)年~ 2000年(平成12)年度 |
なにわ筋線の整備に関する調査 (国土交通省による都市鉄道調査) |
2009年(平成21)年~ 2012年(平成24)年度 |
関西圏における高速交通ネットワークへの鉄道アクセス改善方策に関する検討会(国土交通省による都市鉄道調査) |
2014年(平成26)年7月~ 2017年(平成29)年5月 |
なにわ筋線の事業化に向けた技術検討会 (大阪府、大阪市、JR西日本、南海電鉄) |
2017年(平成29)年5月 | 大阪府、大阪市、JR西日本、南海電鉄、阪急電鉄が、なにわ筋線の早期事業化を目指すことで一致したと表明 |
2017年(平成29)年9月 | 大阪府戦略本部会議にて、なにわ筋線の整備主体を関西高速鉄道とすることなどを意思決定 |
2017年(平成29)年11月 | 「なにわ筋線建設事業の推進に関する覚書」締結 (大阪府、大阪市、JR西日本、南海電鉄) |
2019年(平成31)年3月 | 国の平成31年度予算において、なにわ筋線の整備が新規事業化 |
2019年(令和元)年7月 | 鉄道法に基づく鉄道事業許可(JR西日本、南海電鉄、関西高速鉄道) |
2020年(令和2)年2月 | なにわ筋線に関する都市計画決定告示 (都市高速鉄道:なにわ筋線、道路敷津東南北線、恵比寿本町南北線) |
2020年(令和2)年8月 | 都市計画法に基づく事業認可告示 大阪市都市計画都市高速鉄道事業なにわ筋線 |
2021年(令和3)年11月 | なにわ筋線新駅着工 |
〔関西高速鉄道株式会社の概要〕
関西高速鉄道は、JR東西線の鉄道施設を建設し、保有する第三セクター(第三種鉄道事業者)として、大阪府、大阪市、兵庫県、尼崎市の自治体と、西日本旅客鉄道株式会社をはじめとする民間企業の出資により、1988年5月に設立されました。資本金は、816億7200万円。1997年3月に開業したJR東西線は、西日本旅客鉄道(第二種鉄道事業者)が運営し、学研都市線とJR宝塚線、JR神戸線とを接続。大阪圏・関西圏の発展に寄与しています。
具体的な運行経路と設置される新駅
2023年春に開業する「うめきた(大阪)駅)」、「中之島駅」、「西本町駅」、「南海・新難波駅」が新設され、「西本町駅」から「JR難波駅」へつながるルートと、「西本町駅」から「南海・新難波駅」、「新今宮駅」を経由して、「天王寺駅」「関西国際空港駅」へとつながるルートにわかれます。「うめきた(大阪)駅」⇔「中之島駅」⇔「西本町駅」区間は、JR西日本・南海電鉄の共同営業区間となり、「西本町駅」⇔「JR難波駅」区間は、JR西日本の営業区間、そして、「西本町駅」⇔「南海・新難波駅」⇔「新今宮駅」区間は、南海電鉄の営業区間となります。
■うめきた(大阪)駅
「うめきた(大阪)駅」は、現在開発工事中の「うめきた2期開発工事エリア」の地下に新設されます。地下改札内の連絡通路で「大阪駅」とつながるため、「大阪駅」として開業する予定です。2023年春完成を予定しており、特急列車の「はるか」や、「くろしお」が利用します。「はるか」は、新幹線に乗り継ぎができる「新大阪駅」と、「関西空港駅」を結んでいますので、ますます便利になるでしょう。また、新駅は「『JR西日本技術ビジョン』の具体化に挑戦する未来駅」として位置づけられ、「One to One」のデジタル案内や、「フルスクリーンホームドア」などが設置されます。次世代に向けた新駅となりそうです。
■中之島駅(仮称)
「中之島駅」は、北区中之島にある玉江橋南詰交差点から常安橋交差点との間に設置予定。中之島エリアの西側に位置します。新駅の東側には、「国立国際美術館」や「大阪市立科学館」、2022年2月に開館したばかりの「大阪中之島美術館」といった文化施設が集積しています。又、地上39階建て・198mを誇る「フェスティバルタワーイースト」「フェルティバルタワーウエスト」も近くにあります。「タワーイースト」には、有名な交響楽団や、アーティストによるコンサートが行われる「フェスティバルホール」や、「中之島香雪美術館」が併設。多くの飲食店や各種ショップも出店しています。新駅の西側には、大阪の迎賓館とも呼ばれる「リーガロイヤルホテル」、セミナー会場や貸しホールとして利用できる「大阪国際会議場(グランキューブ大阪)」などがあります。又、「関西電力病院」や「住友病院」といった総合病院も近くあります。
新駅東側近くに位置する「大阪市立科学館」では、約9000個もの星を愉しめる「プラネタリウム」が設けられています。明るい星の鋭い輝きや色合いが再現され、専門のスタッフが、生解説で星空案内をしています。
新駅の西側近くには、中之島エリア「最高層」(地上55階)・「最大級」(894戸)のタワーマンション『ザ・パークハウス中之島タワー』が君臨しています。「なにわ筋線」が開通すると、大阪・梅田エリアへのアクセスが、ますます便利になる人気のタワーマンションです。
■西本町駅(仮称)
「西本町駅」は、西区阿波座1丁目交差点付近に設置予定。大阪本町エリアを東西に伸びる「中央大通り」と、南北に伸びる「なにわ筋」とが交差する場所です。周辺は、オフィスビルが多く建ち並んでいますが、コンサートなどで多くの人が集う「オリックス劇場」(旧厚生年金会館)や、総面積約9.7haを誇る都市公園「靭公園」も近くにあります。「靭公園」は、170品種3,400株ものバラが咲く「バラ園」や、スタンドに5,000人収容できる「靭テニスセンター」をはじめとする、16面ものテニスコートを有しています。
新駅の近くには、大阪市西区エリア「最高層」(地上53階建て)・「最大級」(874戸)のタワーマンション『大阪ひびきの街ザ・サンクタスタワー』が聳えています。現在このマンションの最寄り駅は、Osaka Metro四ツ橋線・中央線・御堂筋線「本町」徒歩6分ですが、なにわ筋線開通後は、「西本町駅」徒歩約3分程度となりそうですので、ますます人気のタワーマンションとなるでしょう。
■南海新難波駅(仮称)
「南海新難波駅」は、浪速区難波中一丁目、阪神高速道路高架下あたりの地下に設置予定。周辺には、多くの飲食店やホテルなどが建ち並んでいます。それゆえ、居住地というよりは、観光やビジネスなどの起点として利用されることが多いエリアといえるでしょう。近くには、道頓堀川に面する憩いの広場を有する「湊町リバープレイス」があります。トークショーやファッションショー、フリーマーケットなどといったイベントに利用されています。夜には、ライトアップされたテラスが、美しい景色を生み出しています。
なにわ筋線開通後の効果
■関西国際空港と大阪駅のアクセス改善(約16分)
区間 | 所要時間 | |
---|---|---|
現状 | 関西国際空港⇔大阪駅 | 関空快速約64分 |
なにわ筋線開通後 | 関西国際空港⇔うめきた(大阪)駅 | 約48分予定 |
■地下鉄御堂筋線、なんばターミナル駅における混雑緩和
梅田⇔難波間における地下鉄乗降客の分散と、「なんばターミナル」全体の混雑緩和も期待できますね。
■交差する既存鉄道とのネットワークの拡充
「うめきた(大阪)駅」では、JR線(環状・京都・神戸・宝塚)、阪神本線、阪急本線、地下鉄(御堂筋・四ツ橋・谷町)とつながり、「中之島駅」では、京阪中之島線へとつながります。「南海・新難波駅」では、阪神なんば線、近鉄なんば線、地下鉄(御堂筋・四ツ橋・千日前線)とつながるので、関西圏における鉄道アクセスの利便性にも寄与することわかります。
まとめ
2031年春開業予定の大阪・新路線「なにわ筋線」を徹底調査!いかがでしたか。新線が開通すると、関西国際空港へのアクセスが向上することはもちろん、地下鉄沿線の混雑緩和や、なんばターミナルの混雑緩和にも寄与することがわかりました。また、新駅における既存鉄道とのネットワークが拡充されることで、関西圏の鉄道アクセスも、ますます便利になりますね。更には、駅が新設されることで、新駅周辺の不動産価格も、上昇するのは必至でしょうか。
2024年「うめきた2期」一部完成、2025年「大阪・関西万博」開催、2027年「うめきた2期」全体街びらき、そして2031年「なにわ筋線」開業。その他にも、「統合型リゾート施設(大阪IR)」推進や、2045年「リニア新幹線(東京⇔大阪)」開通、2046年「北陸新幹線全線」開通などなど。これからの四半世紀で、「関西」ブランドは、ますます高まることでしょう。
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