神戸のタワーマンション規制について(土地利用規制条例 タワマン規制)

アバター画像大畑清一郎

みなさまこんにちは!

TOANET株式会社の大畑です。

寒い日が続いておりますが、新年もはじまったばかり。
正月の食っちゃ寝で鈍った体にムチ入れて頑張ります!
(ちなみにおみくじは中吉でした、、、)

今回は2019年7月、神戸市中心部、三宮エリアの大規模マンション抑制に向けた土地利用規制の関連条例改正が市議会で成立し、2020年7月に施行される規制について調べてみました。

どこが対象エリアなのか。

今年7月には百貨店などが集まるJR三ノ宮駅、阪急・阪神三宮駅周辺は新たな住宅建設が原則禁止となります。

今回の対象となるJR三ノ宮駅周辺の写真

皆様ご存知の通り、神戸市では需要の高いタワーマンションは人気ですがそのタワーマンションが建たなくなる可能性があるのです。(
通称タワマン規制)

規制対象となるエリアは山陽新幹線の新神戸駅やJR神戸線の元町駅などを含む計314.6ヘクタールです。(青いエリア)

神戸市が規制するエリア

そのうち住宅が原則建てられなくなるのは三ノ宮駅周辺の22.6ヘクタールが住宅建設禁止エリアです。(オレンジのエリア)

その外側292ヘクタールは、敷地面積が1000平方メートル以上の用地を対象に、住宅部分の容積率を現状の最大900%から400%以下となります。

タワーマンション等の大規模マンション建設を抑制し、就業人口を増やすため中心部に店舗やオフィスを集中させるのが狙いです。

なぜ今この条例を施策するのか。

神戸市内人口は2011年がピークにあり、それ以降は減少の一途をたどっています。減少幅は全国の市区町村で最大で、西日本の中核都市にありながら人口流出がとまらない状況です。

神戸市推計人口の推移

兵庫県内では、尼崎市と伊丹市、以前から子育て支援を前面に出す明石市に人口が増えています。これからの担い手である若者の世代が増えているのです。

中央区ではタワーマンション等の建設ラッシュにより、利便性の高い人気のエリアが大阪のベッドタウン化しています。そのため、神戸市内では中央区のみ人口が増加しています。
神戸市中央区のタワーマンション一覧

三宮の駅前地区や旧居留地地区を高度集積地区としてオフィスビルや商業施設を集中させることにより、就業人口を増やし郊外のニュータウンへの人口増を図っていくものと見られます。

中心部に店舗やオフィスが集中し、エリアの活気がでれば郊外のニュータウンへの人口流入を目的に、市営地下鉄西神・山手線の名谷駅、西神中央駅、JR垂水駅の3駅周辺で、市有地を生かし民間にマンション開発を促すようです。

いずれも30年以上前に開発されたニュータウンを抱える地区で人口減少が目立つエリアです。利便性の高い駅前でマンション開発を促進させることで、郊外の過疎化を阻止する目的もあります。

北神急行電鉄を市営化で運賃が安く。

神戸市は北神急行電鉄を市営化することを決定しました。
2020年6月から市営地下鉄西神・山手線との一体運行を始めます。
谷上駅と新神戸を結ぶ北神急行電鉄と相互乗り入れをしている市営地下鉄との一体運行が始まれば、谷上-三宮の運賃(550円)は現在のほぼ半額の280円となる見込みです。
運賃が安くなれば、神戸市北区の利便性が高いエリア等でも住宅需要が増加し、北区の人口が増加する可能性がありますね。

子育て支援制度の拡充も。

神戸市は、出産で自然増も見込める若者に住みやすさをアピールしようと、2019年度予算で保育定員の拡大や育児拠点の整備など、子育て世代の定住を促す施策を打ち出しています。

①待機児童ゼロへの取り組み

待機児童問題を解消するため、保育士の給与改善、保育士等の家賃改善、保育士定員の拡大を図るようです。

②病児保育室は病院・診療所に併設

子どもの急な病気のときに仕事を休めないパパ・ママのために、病気の子どもを預けられる病児保育室が市内に14カ所あります。小児科専門医に加え、保育士や看護師もいるので安心です。

③学童保育も最長19時まで延長

親が仕事等で昼間家庭にいない小学生を対象に、児童館などにおいて適切な遊び及び生活の場を提供する制度が学童保育です。市立の学童保育では利用時間を希望に応じて19時まで延長しています。
こうした子育て支援も神戸市では積極的に拡充を行っているのですね。

神戸市の不動産市況は今後どうなるのか。

それではタワマン規制が施行されると神戸市の不動産市況はどうなるのでしょうか。
神戸市の交通利便性が高い、人気のエリアでは近年地価上昇がみられます。
地価上昇の著しいエリア

利便性が高く共用施設の充実したタワーマンションへ住替えを希望される方の需要は郊外エリア居住層の高齢化とともに今後も堅調かと思います。

新築マンションの販売価格の上昇とともに、既存タワーマンションの価値も上昇するのではないでしょうか。特に、利便性が高く居住性に富んだ中心部の中古タワーマンションが恩恵を受けるのではないかと予想されます。

今回の土地利用規制によって中心部の商業施設等が近い将来盛り上がりを見せることは難しいように感じます。マンション建設規制することで、中心部の商業ビルやテナント開発に投資が回されるかは不透明かと思います。

まとめ

神戸市は人口の減少に歯止めをかけるために、子育て支援やタワーマンション規制を施策していることが分かりました。

今後人口が増加すれば、必要に応じて神戸市の住環境、商業エリア整備も進んでいくのではないのでしょうか。

そうすれば神戸市の不動産価値も上昇しそうですね。

神戸のタワーマンション特集│需給バランスの変化による資産性と騰落率
神戸のタワーマンション一覧

住所/神戸市中央区中山手通3丁目10-6
営業時間/10:00~18:30
定休日/第2、第3火曜日 毎週水曜日
TEL/078-232-3339 FAX/078-330-0033
神戸の不動産会社