神戸市新型コロナウイルス感染症対策 緊急補正予算(第1弾) 可決について調査しました

みなさまこんにちは!
TOANET株式会社の直井です。
今回は令和2年5月1日に神戸市緊急議会にて可決された「令和2年度 新型コロナウイルス感染症対策緊急補正予算(第1弾)」について調査しました。

令和2年5月1日に可決された補正予算

(1)感染症の拡大を防ぐ
(2)市民の生活を守る
(3)神戸経済を守る

今回、特に私達が不動産会社として着目した点は、
「(3)神戸経済を守る 中小企業等への家賃負担の軽減」です。

中小企業等への家賃負担の軽減について

神戸市では店舗の家賃を減額する不動産オーナーに対して、その一部を補助する政策が可決しました。
対象期間:4月7日~5月6日(緊急事態宣言期間中)

対象となるのは

「神戸市内の建物に入居する店舗に対して、その賃料を月額の『2分の1』以上を減額する建物所有者等」

と定められています。

つまり、家賃の減額(家賃を半分以下にした)に応じたオーナーに支給されるわけですね。

減額した家賃の8割が補助

4,5月の2か月分の家賃について、建物オーナーが
「半額でいいよ!」
という話し合いがなされた場合に、神戸市から減額家賃分の8割が補助されるという仕組みです。
減額対象店舗は新型コロナウイルス感染症による売上減少等の影響を受けている中小・小規模事業者、個人事業主が営む店舗(オフィスや倉庫等は対象外)となるようです。

補助金に対する疑問点

この政策は、今一番困難に直面している飲食店経営者や店舗経営者に直接支払われるのではなく、貸主の協力がなければ支援を受けることができないという、奇妙な疑問点があります。

疑問その1 店舗貸主が減額承諾しなければ成立しない

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、売上が激減した店舗への家賃支援制度を、国に先駆け、市単独で創設されたことは、大変ありがたい政策です。

但し、この政策では店舗貸主が家賃の1割を負担しなければなりません。
また、補助金申請は、店舗貸主側の為、借主の立場では店舗貸主の承諾なしに補助を受けられない制度になっています。
そもそも、減額を希望する主体は借主であり、オーナーに嘆願しなければ受けることのできないという、借主不利の政策と言えます。

疑問その2 一人のオーナーあたり最大200万円の壁

補助の上限について、貸主一人当たりに受け取ることができる最大額は200万円。
これは、1店舗あたりではありません。
1企業当たりでもありません。
一人当たりの貸主が受け取ることができる上限です。
ということは、複数店舗を多数の貸主に賃貸しているオーナーはどうなるのでしょうか?

例)2か月間家賃を減額する場合

家賃月額50万円 × 10店舗 × 2か月 = 1000万円

2か月間半額にする
家賃月額25万円 × 10店舗 × 2か月 = 500万円

家主は、500万円の損害を得ますが、補助金は200万円しか支給されません。
となると、そもそも家主はこの減額請求に応じるでしょうか?

万一応じたとして、この減額はどの店舗に割り当てられるのでしょうか?
非常に複雑かつ、家主の判断に大きく左右される政策と言えます。

疑問その3 貸主と借主が対等の立場であるという考え

神戸市議会の岡口副市長の答弁
「この度の家賃負担軽減支援制度は、家賃の減額は不動産オーナーと店舗との民民の契約により決定されるところを、現状の様な緊急下において、市としても補助制度として関わり、不動産オーナーにも家賃の一部を負担して頂き、店舗も含めた3者で、コロナの難局を乗り切っていくことが適切ではないかと考えた。」

疑問1,2の通り、決して優位とは言えない借主が、決定権のある貸主に嘆願しなければならないこの制度は、店舗も含めた3者での対応は難しいのではないでしょうか?
しかもほとんどのオーナーは、借主が家賃を遅延や支払不能に陥ったとしても、家賃保証制度を利用し、全額回収することができる強みがあります。
決して平等とは程遠く、改正の余地がある政策と考える人も多くいるのではないでしょうか?

総額10億円

単純計算ですが
10億円 ÷ 200万円 = 500人
のオーナーがこの補助を受けることができます。
残念ながら、すぐに上限に達してしましそうな額です。
神戸全域どころか、神戸市中央区内の店舗オーナーの方だけで支給額上限に達してしまう額ですので、申請の早い遅いで不公平がでるのか不安です。

まとめ

今回の制度は、店舗貸主の好意に依存する部分が多く、残念ながら困窮する店舗経営者、飲食店経営者に寄り添った制度とはなかなか言いにくいのではないでしょうか?
また、減額交渉に応じてもらったとしても恩を売ったような形に感じる方も大変多いと思います。
神戸市はなんとかもうひとひねりしてもらい、画期的な政策を提案してほしいです。

※緊急補正予算(第1弾)の内容

総額1,624億900万円の緊急補正予算が可決。

(1)感染症の拡大を防ぐ

マスク等衛生資材の確保と感染拡大防止策の強化 5億4,000万円
医療提供体制の充実と検査体制の強化 4億6,000万円
患者等の受入を行う医療機関への支援 3億円
介護・障害福祉サービス事業所への支援 8億円
保護者の感染時における児童の緊急一時保護 2,000万円

(2)市民の生活を守る

特別定額給付金 1,555億円
子育て世帯への臨時特別給付金 19億 600万円
学校休業時等における学びの環境整備 1億1,200万円
ひとり親家庭のサポート DV相談体制の強化
国民健康保険加入者への傷病手当金 400万円

(3)神戸経済を守る

中小企業等の事業継続や売上向上への支援 5億円
中小企業等への家賃負担の軽減 10億円
県の休業要請に応じた事業者の経営継続支援 9億 800万円
中小企業等のICTを活用した経営強化支援 1億1,200万円
先払い利用券による飲食店等の支援 1億円
宅配事業者等を活用した飲食店等・家庭への支援 4,000万円
中小企業等への経営相談体制強化 6,000万円

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